ここ2カ月、しんどい検査と、ちっとも頭に入らない説明*1と、不安とイライラに明け暮れた父が、最終的にはグレーのまま、この治療でゆきましょう。ということで、入院。
明日から本格的な治療。2か月以上いたいいたいで苦しんだので、痛さから解放されるのはよかった。
病室からは大阪平野が一望でき、憩い室みたいなところからは、父や私が生まれ育った、山と海に挟まれた阪神間、神戸が一望できます。はよ元気になって、みんながびっくりするくらい活躍せなね。
街道をゆく。で、さまざまな土地に温かいまなざしを向た、司馬遼太郎さんが『世界にただ一つの神戸』という題名で、神戸にエールを送ってくれたことがあります。
私はいまでも時々、その文章を読んでは慰められます。慰められたい気持ちの時には、読む。と書いた方が正確かもしれません。世界にただ一つの……自分の大切な土地に置き換えて読むことがのできる、やさしい心根に根ざした内容です。
私は司馬さんの街道をゆくを読み、いろんな土地が好きになって、知りたい、いつか行きたいと思いました。どこかに旅行をしようと思った時、司馬さんが街道をゆくで、その土地のこと、書いてないかな?どう書いているんだろう?と、思わずさがすときもあります。
この2カ月、父が私に何度も「元気になったら奄美とか種子島とか屋久島とか行こうな。一番にどこ行きたい?足摺岬もまた行きたい。」と、言っていました。いやいや、私も昔と違っていろいろいそがしーのよ。と、内心思ったり、私にかかる旅費をぜんぶ出してくれるならいくらでも行くと言いつつ、行きたい場所を話していたのだけど、きょうは病院から外を眺めながら「元気になって東北も行かな。あんまり行ったことないから、たのしみや」と、言っていた。

*1:私が聞いているから、頭にはいんなくてもいーんだそーなので、これはストレスじゃなかったのかも。