家の味

家の味。おばあちゃんのあの料理が食べたいなぁ。とか、おじいちゃんがたまに作っていたアレ、食べたいなぁ。という料理やおやつ。こればっかりは私自身が聞いていたり、作り方を知っている家族に教えてもらっていたりしないと作ることが難しいです。近づけることは出来ても、同じようには作ることができない。

それって、私が普段使わないような調味料を入れていたり、「え!?」と思うことをしているんですね。面白いです。

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写真は明日つくる巻き寿司の下準備。かんぴょうとどんこしいたけ。かんぴょうは薄口醤油。どんこしいたけは濃口醤油。どんこしいたけの形にも家のこだわりがあって、それを探すのが大変です。

「昔の私は食べること、そんなに重要じゃない(そもそも食がめちゃくちゃ細かったし)」と思っていたのだけれど、細々と呆れるほど色々覚えています。とくに「好きだったアレ」に関しては完璧に再現できるほどに、祖父母にもほかの人にも聞きまくって、一緒に作りまくって*1、切磋琢磨していたようです。家のこうこ巻き(お新香の細巻き)は完璧すぎると自負しています。けど、おじいちゃんが巻いたのは美味しかったなぁ…。

巻き寿司は大人になってから(しかも最近)作り方を聞きました。好きじゃなかったんですね、こうこ巻き一筋だったから。昔はちっとも好きじゃなかったけれど、だんだん美味しく感じたり、懐かしくて食べたい…こういうのはどうしてもあります。

興味のあるなし、好き嫌いはとりあえず横に置いて、聞いておくのは意味があるなぁ!と思う瞬間です。

実家の巻き寿司は具がユニークで、金時人参が入ります。この金時人参の仕込み方は聞いていないと絶対にわからなかったです。お料理の本で見たこともありません。まさに家の味。ひとつひとつの食材を、ひとつひとつ丁寧に味付けをしているのにも驚きました。私はかんぴょう、高野豆腐、どんこしいたけのどれかは一緒に味付けをしているか、下味をつけていると思っていたけれど、すべて別々にそれぞれに調理していた*2。この作り方はお料理屋さんですね。

すし酢の合わせ方、風の送るタイミング…家風。「え〜こうやったらもっと美味しくできるよ!」と思う点もあるけれど、もっと美味しくなっちゃったら私の記憶している家の味とは違う。それが食べたいわけじゃない。もっと美味しいのはそれはそれで食べたいけれど、家の味はあのときよりもっと美味しくなる必要なし!

笑っちゃうけど、私にとっての思い出の味ってそういものです。

 

*1:ときどき「めんどくさい」と言われながらも、人によって付き合ってもらいました。

*2:普段の私もすべて別々に味付けをするのが好みなので、無意識に見まくっていたのかもしれません。たぶん「よくこれを美味しいと思うなぁ!わたしきらい。わざわざこんなに手間ひまかけて、なんで作るんやろう」とか考えながら、手伝っていたのでしょう。