根比べ

きのうの夜から「彫刻刀の切れが悪いなぁ…」と感じつつ、寒いし。右親指先端負傷しているし。と頭のなかで理由をつけては刃物を研いでいませんでした。
きょうになっても研ぐことなく彫り進めていたのですが、昼前にギブアップ。研ぎ終わって思ったこと。『研ぐのは1分なのに、よくもまぁ研がずにここまで粘りました。』終わればいくらでも思えるのですけれど、これがなかなか。仕事ができない典型のパターンだと思います。
手元に天然砥石を置いて彫っては研いで*1。を癖にしているという知人がいます。中国へ旅行に行った時に、版画ではなかったと思いますが、刃物を使う職人さんがそうしていて『これは使える』と見よう見まねでやってみたのがはじまりだそうです。
へぇ、それはよさそう。と私も思ったけれど、私の使用している砥石(人造砥石)は、水に浸して水分を吸収させて使うものですから、手元に置いて使いたい時にシャッシャとやる。という使い方はできません。
天然砥石…実家の倉庫に眠っているはずなのです、祖父が使っていたものが。私が記憶するかぎり大小取り混ぜて5つはありました。祖父が刃物を研ぐと怖いくらい切れました。それは祖父の腕だったのでしょうけど、よい砥石でもあったと思います。それが実家に眠っていると思うと、自分で当たり外れの多い天然砥石を買う気にはなかなかなりません。

*1:印刀のみという話だったけれど。