懐かしい写真がでてきました。23歳くらいの時に作った立体*1です。首を傷める以前は立体造形のお仕事をさせていただいていました。
立体を作っておわり。の仕事もあれば、立体を作って写真撮影までしておわり。など、内容はその時々で微妙に変わりましたが、写真撮影の時は私と同い年ほどのアサヒペンタックス時代*2の一眼で撮影していました。柔らかくぼやけるレンズが大好きで、今でも一番大切なカメラ。19歳の頃に散々迷ってフリーマーケットで購入したものです。
真夏に「雪もある風景で撮影してください」っていう要望などもあって、苦しくも楽しかったです。
仕事の終了と共に、立体はお仕事をいただいた会社や作家さんに引き渡していましたので、手元にはほとんど残っていません。どうしているのかな…落として足が折れてしまった!と、泣きながら連絡をして下さった*3方もいらっしゃいました。
立体造形との出会いは私にとっては劇的で、学校で3年間、明けても暮れても画材と技法に執着していた私が「これしかない」と出会った瞬間に(言語化できる理由もなく)腑に落ちた相手でした。
結局、執着するあまりに首を傷めることになり、あきらめきれずにリハビリもしましたが、リハビリを通して私は「これしかない」ところには戻れないんだ。と、少しずつ立体とサヨナラをする期間になりました。そのうえで今でも立体は好きですし、立体に携わっておられる方を敬愛しています。
振り返ってもらえるとか、もらえないではなく、好きで好きで仕方ない相手のような存在なのかもしれません。もちろん、戻れるものならどんな苦労をしても戻りたい。って気持ちはありますが、やっぱりそんな事は関係なく好きです、立体。
いつかまた、もっともっと気持ちの整理ができて、作る時もあるのかな…と、フと思う時があります。考えるだけで「そんな時がきたら、いいな」って思えます。
写真の右のもの(龍)は、今でも手元にある数少ないもので、何人もの方に「なんて名前なんですか?」と聞かれるたびに『なまえなんて、ないよ』って答えては不興を買ったので、むりやり「阿辰(あしん)」という名前にしました。「辰ちゃん」みたいな雰囲気。

*1:を写真に撮ったもの

*2:という解釈をしているけど、あってるのかな。おそらくあってます。

*3:立体は面白いもので、その方の子どものように扱っていただけることが多いのです。