アミガメ
size*100mm×148mm 木版 2005年
アミガメさん。
ものすごく難しかった&時間がかかった&いつか再チャレンジしようと思った記憶が強烈にあるカメさんです。
カメの甲羅は決まった数に区切られているのですが(説明がぼんやりしていてすみません)、その甲羅の区切り?を、まったく無視したような編み目模様のあるカメさんなのです。
アミガメのアミ部分ばかり強調すると、なんだか「私が作りたいのって、こういう(ディフォルメをかなり効かせた)ファンシーなのじゃあないのよねぇ…」となり、甲羅の枚数ばかり気にすると「その時点でアミガメじゃないし…」ということになって、途中で作るのを放棄しようかと思ったカメさんでした。
しかし私はよくもわるくも途中で放棄することを学ばなかったので*1、作りはじめたものは最後まで…だったのですが、キレイな色は出せたのではないかと思います。
難しかったけれど、やってみて「カメって自分で思っていたよりずっと奥深いなぁ」と思ったのも記憶に新しいです。

*1:一旦作り出したものは最後まで作らないと、ヘンなクセ(イヤになったら放り投げるとか、なにかにつけ仕上げができないようになってしまうとか、自分にとっての完成度ばかり求めクライアントの意向を無意識のうちに無視するとか。いろいろ)がついてしまい、調子のいいものでも踏ん張りがきかないから完成度が落ちてくる。だから?若いうちは「完全に失敗だ!」と思っても、必ず完成まで持ってゆけ。完成させるクセ、盛り返すことができる発見をみつけろ。と叩き込まれたのです。なるほど!という理屈ですが、この教えを実行するのはけっこう大変です。リスクも大きい。ある面においては「失敗だと思ったら、それに捕われずに頭を切り替えて次にいく」というのが最善のこともあるのですから…。ただ、私には上記の教えはベストマッチだったと思います。そういう生き方を否定したくないという意味においても。