ブログトップのデザインを変更。まえに作った木版画の一部です。
抽象的なのも作るのね。という感想をいただいた図柄なのですが、私にとってはカメ版画以上に具象のつもりだったのでビックリした記憶のあるものです。言われてからあらためて眺めてみて……なるほどね……と思いました。
赤は縦。黄色と青は横に木目(木の方向)を使っていて、わかりづらいかもしれませんが、なんとなく線が入っているような、ムラになっていようなところは、木目が出て(出して)います。
木版画の表現と鑑賞の両方に共通する楽しみのひとつに、絵そのものや線ではなく、木の質感、面の使い方、そしてなにより摺りで木目を出す。という点を、あげることができると思います。
朴や桂などは木目そのものが作品になるような、ハッキリとわかる美しさを持っています。あの美しさは私は圧倒されっぱなしです。
いま私の目の前にある板がどういう理由で版木になったか。ということは関係*1なく、どの版木も、何年、何十年と生長した木の一部なのだ。と思うと、なかなかどうして手がつけられない時があります。
染めもそうですね。草木染めからはその植物が持っていた色の一部を、木版画からはその木が持っていた年輪の一部を、布や紙に写し取らせてもらっているんだと思う時があります。

*1:それでも私は、しょっちゅう「間伐材だったのかな?」とか「どこで育ったのかな?」とか考えては、ぼんやりしています。