今回は台木に着色せずに、作ってみました。はんこ。
まだまだ試行錯誤が続いているのですが、現段階では台木とはんこの接続面に、ゴム印の場合はクッションを入れ、けしごむはんこの場合は入れていません。
素材自体が硬質なゴムの場合は、クッションがあることによって遊びができ、よりキレイに捺せる*1感じがするためクッションを入れています。
それに対しけしごむはんこにクッションを入れると、捺した時に手に伝わる状態が柔らかくなり過ぎてよくないと感じます。けしごむはんこもメーカーによって硬さが違うので、時々の話になってしまい、描く絵が時期によって変化してゆくように、はんこの形も変化してゆきそうです。
台木も試行錯誤中で、厚みのあるものを使用したり、薄いものを使用したり、木の種類もいく通りか使っています。
私個人の嗜好として手に負担がかかるのがとても気になるので、持った時に台木が角ばっているのはイヤだし、重すぎたりするのもどうかと思い、かといって軽すぎもね……仕上げにニス、オイル、絵具、なにが面白いだろうね…と、気になるところはたくさんです。
ビジュアル的には台木には無垢材がよいかと思うのですが、木の伸縮や台木とスタンプ部分の接着面の耐久性などを考慮すると、合板も捨て難いです。
はんこには、木や陶器、石、金属などを材料にしたものもあり*2、私と馴染みの深い木などは、クッションを入れたのと入れないのとでは同じ絵柄、彫りだったとしても、捺した時の状態が随分と違うのではないかと思います。
木は染めにも使用されます。木版を使った型押しの染めがあり歴史はたいへん古いです。最近人気のリバティプリントなども、古いものですと木版です。今でも木版を使用している染めで有名なのはバティックでしょうか。
木版画の場合は(基本は)木に絵具をのせ、その上に紙をかぶせてバレンやプレスなどで摺りますが、染めは(基本は)反対。
模様を彫ってある木片を手に持ち、糊をぺたんと木片に浸し、それを布にペタペタとおしてゆきます。日本では木版(木片)を使用した染めはあまり馴染みがないようですが、鍋島更紗が染めの一部に木版を使ったことで知られています。
私もいつかは更紗のような何十版も使用して染めるような、気の遠くなるような(販売するとなれば、誰も買ってくれないような値段になってしまう手間のかかる)染めをやってみたいです。
また反対に、たった一版だけで魅せるような力のあるものも作りたい。
スタンプは単純なものから複雑なものまで、ほんとうに面白いです。

*1:ゴム印の場合はリノカット技法(リノリウム版の版画)のように、ローラーで油性インクをのせ、その後に刷る(捺す)のが一番キレイに捺せるのではないかと思います。

*2:ほかにも色々とあると思います。