浮沈み

グズグズグズグズどよんどよん……と私のなかで重く沈み込んでいた木版画。やっと浮き上がってきました。あぁ、完成まで持っていけるな。という手応えがほんのすこーし掴めた気が……する。
もともと思い描いていた「こうやってみたい」からは外れてしまった気がしていたけれども、じつはそんなに外れてなかったのかもしれないという気もするし、どちらにしろ面白いものが引寄せられる予感がしてきた。でも…やっぱり引寄せられないかも。ってグズグズどよんとしてるじゃなーい!と言われそう。けれど私のなかでは全然違うのです。
どーんと落込むような迷いと、けっこう前向きな迷いの違いは…似て非なるものなのでしょうか。それとも同一線上?うーん。気分は確実に違うのですけれどね。
それにしても手先がかじかみます。足先も。自分自身が底冷えを発している気分。冷え性を脱したというのはウソでした。ウソも言続ければマコトにはならなかった…しょぼん。そもそも30代後半でこのシワシワの手はなんじゃ?(小さい頃からそーだったけれど)と毎日しずかに?驚愕。
けれどもモテるのですよ。わたくしの手。大昔から女子に絶大な支持をうけております。それが唯一の慰めでしょうか。節高で色黒で指が長くて血管が浮いて薄っぺらい。「むかめさんが男だったらなあ〜」と何度言われたことか。そうか、この手でさらには男であることが重要なのか……と早合点してはいけないのが乙女心の不思議。「ものすごくちっちゃい!」というのもモテの要素のようなのです。
わたしは……ここまで男っぽい手なら、おおきな手がよかったな。道具も握りやすいし、なによりバレンの竹皮の張換えがラク。全然違うんだから!