絵具のあつかい…「あーむつかしい!」って、途方に暮れる時があります。
どれくらいの濃さにするのか、厚塗りか薄塗りか、均等に塗るのか、破綻をいれるのか…同じ色をさまざまな形で見せる。そのさまざまの中に、ここにはこの表現!を見つけるのが難しい時、ここにはこの表現しかない!だけどその技法が難しい時、いろいろあります。
今年の春に、かたち自体には満足していたけれど、どうもなにか足りない。と、いうのが出来てしまいました。(できてしまった。というしかないような、なにか…すごくモヤモヤします。)
なにが足りないのか、まったくわからなかったです。
あまりにわからなかったので、私が師事している先生に、珍しく見ていただきました。すると「この部分、もっと濃い絵具で表現したかったんとちゃうかな?」と、言われてハッとしました。言われて気づいたけれど、…そう、私はたしかにそうしたかった!
会話の中の「もっと濃い絵具」というのは、レモンイエローより山吹色。みたいに色が濃いんじゃなくて、多い水で溶いた山吹色と、少ない水で溶いた山吹色。絵具の濃度の高さのことです。
自分が作るものは、自分が一番わかっている。とは決して言えない典型的な出来事だと思います。かなり恥ずかしかった。自分がしたいことを、ていねいに汲み取る作業を怠ったり、解釈し間違えたことに、気づかされた感じだったです。
自分が汲み取ることができなかった自分を、先生は汲み取ってくれたという出来事でもありました。恥じ入ると共に、こんなに真剣に観てくれる人がいることの嬉しさも感じました。…師事してよかった。こんな人になりたい。
本日の作業は、どうしたいか汲み取ることはできていたけれど、そのしたい事に近づけることができなかったです。絵具の濃度と色の問題。バレンの選択、使い方も悪かったかもしれない。つぎはもっと近づけると思います。
写真は紫芋の焼きいも。きれいな色ですね。質感はこの色に合った、ベルベットのようです。