開かずの間

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我が家はずっと開かずの間。

誰かを家に呼ぶことはない。用事でいらっしゃることがあっても玄関まで。先々に考えが変わるかもしれないし必要に迫られるかもしれない、友達の家におよばれに行ったときは「こういうのも、いいな。昔にもどったみたい」と思ったりもします。けれど家に帰れば「いいなと感じただけだった!」と気づきます。いまのところ。

この家に移るとき「この家は開かずの間にする」と決めていました。可能なら庭も含めて。実家はひっきりなしといってもいいくらいにお客様の来る場所で、物心つくまえからその良さも面倒さも身に染みついていて、今の選択に至っているのかもしれません。そうだとしたら根深いものです。招くのは十分味わった!

いままで開かずの間に入ったのは両親。そして従姉妹だけ。従姉妹は何度も断り考えを伝えたけれど理解も受け容れもしてくれず「行きたい、行きたい」とダダをこね、妹のような存在だったので「しゃーねぇな」と思って迎え入れました。そんなに長い時間の滞在ではなかったし、失礼なことをされたわけでもなかったけれど「やっぱり開かずの間でいこう」と決心する経験になりました*1

必要に迫られて「うちはこんな家のなかです」という写真を(必要としている方に)何度か送ったことがあります。居間、階段、玄関、台所、カメ部屋…「我が家は開かずの間であるので写真でしか見せられない。」というような説明を加える*2とユニークな感想がきて笑うことがあります。

きょうは予定が変更になったので、1日家。仕事をしたり、連絡をしたり、玄関周辺の写真を撮って送ったり、柚子の処理をしました。指先がふにゃふにゃになった。靴箱の上や色んなところに埃がうっすらかぶっていた。よく見さえすれば家中埃だらけのはず。放置、放置。外を見るとみぞれみたいな雪が降っていました。

 

*1:なので従姉妹は来てくれてよかったのかもしれない。明確な決心に至ったから。

*2:木版画などのデモンストレーションは外でやります。」ともよく言います。