清流の国ぎふ芸術祭

あすから岐阜県美術館ではじまる清流の国ぎふ芸術祭☆ひと早く行ってきました。790名のなかから選ばれた(そーです!!)ファイナリスト15名*1が、それぞれにホワイトキューブと向き合う展示です。
素晴らしいなぁと心から感じる展示、私にはピンとこない展示、いろいろあったけれども、ホワイトキューブについて考える機会になる展示でもありました。
素晴らしい!!と思った作品は(箱の中で展示を眺めていると)作家の思考を追体験するような感覚になりました。不思議な体験です。
まだまだ私のなかで消化されていないけれど、ジックリ考えてみたいと思います。
岐阜への道のりは桜の花や春を楽しみ、明宝ハムも食べたし、岐阜の特産品もたくさんいただき大満足の一日。
いい季節です。
18日に追記(Facebookに投稿した記事↓↓)
岐阜県美術館にて「清流の国ぎふ芸術祭 Art Award IN THE CUBE 2017」がはじまりました。
 昨年の夏に約800名の応募のなかから15名のファイナリストが選出され、半年の期間を経て3月中旬から設営がはじまり4月15日~6月11日まで開催されています。
 テーマは「身体(しんたい)のゆくえ」そして「IN THE CUBE」と銘打つくらいなのですからキューブも重要な要素になっており、大型キューブを美術館内に設置し各作家がそれぞれの空間で作品を展開展示してゆきます。
 尊敬している陶作家の三木陽子さんもファイナリストに名を連ね、ワクワクしながらさっそく足を運んで来たのです!三木さんの作品が今回選出されたことは私にとって自然で当たり前なことで、ちっとも驚くことでも不思議なことでもありませんでした。
 そうであったので、三木さんのインタビュー記事の内容に驚き胸を打たれました。とくに「私は今まで日本の公の美術館で自分の表現が十分に伝わるくらいの規模で発表する機会を得られていなかったので、一度はこの作品を美術館で発表したいという思いが前からあった」という箇所はインスタレーション作品を発表されておられる三木さんにとって、どれほど機会を待ち望んだのか計り知れません。
http://art-award-gifu.jp/report/三木陽子インタビュー/
 岐阜県美術館へ足を運び作品の数々を眺めて一番に感じたことは「選ばれても驚くに至らない」と考えていた三木さんの作品が選ばれたのは、もしかしたら驚くことだったのかもしれない。という事でした。
今回の芸術祭は第1回なので、方向性など意識せず様々な個性の作家が選出されたと思いますが、そうであったとしても三木さんがファイナリストになったのは少し不思議な印象を受けました。逆説的ではありますが、それだけ三木さんの作品に見逃すことのできないない魅力があったのだと思います。
 今回の作品の感想をツラツラと書きたいところですが「みんな、とにかく行って観賞するのがいちばん!!」という気持ちでいっぱい。
 パッと観えるもの、静かに長く空間の中にいてこそ観えてくるもの、時間が経ってからフと観えるものがあり(それが美術の醍醐味ですよね!)、それと同時にずっといつも寄り添っているものもありました。三木作品に寄り添っているものは何かなぁ…と考えたとき、いまの私は思考し続けることと、そこから経験し直すことのように思います。何度も何かを思い出し経験し直して深く思考する。という表現の方が合っているかもしれません。(そう考えるとインタビュー記事がさらに深さをまして迫ってきます)
 作品の中に立っていると、三木さんの生きてきた今までを追体験するような気持ちにすらなりました。とても自分に厳しく美術と向き合ってこられた姿が迫ってきて、それは恐ろしくもあり、またそういう過酷さを通過して「Conduit(導管)」という美しい作品を生み出す作家に「すげーな!美術ってすげー!!」とマスマス美術が好きになりました。
 美術っていいな、素敵だな。いい!と思わせてくれる作品だということです。
 会期中は三木さんも登場するトークショーや様々なイベントが目白押しとのこと。

*1:ユニットもいます