かたかた

かたかた(肩が硬い)。なかなか彫り進むことができませぬ。
フと思う瞬間があるのです。木版画を作っている私はとても恵まれている、それは身の丈に合わないほどに。
「えー、なんでわたしに?」とビックリするくらい面白い展示のお誘いやご相談を受けることは、心が震えるほど恵まれているし、それと同時に身の丈の全く違う(けれども私好みのちょうかっこいい)服を与えられた気分になったり*1もします。
自分の作るものを自身が一番疑っているのかな?と感じたりもするのですが、それってちょっと腑に落ちすぎ。キレーな着地点すぎて☆とっても嘘っぽい。たぶんほどんど間違っていると思う。本当の本当はどうなのでしょう。
作りたいと思うものがクリアではないのか。作りたいと思っているものが形にできないのか。そもそもそれが一番作りたいものなのか。作りたいものを奇跡的に作れたとして、それを展示したいのか。考える間に手を動かしたりして、考えが足りないのか。作るってなんなのでしょう。根源的すぎてこたえなんて出そうにない、少なくとも今の私には言語かできん!
「かっこいーい、あんな風になってみたーい」と憧れて「けど、身の丈に合わないでしょ。そもそもサイズがまったく違うやん。けど、けど、やっぱりかっこいい。あんな風になってみたい」と、自分なんてとっぱらってトキメイてしまう…憧れられるというのはいいもんだ!ということだけはわかる。
超ひさびさにカメモチーフ版画を作っていたら、カメ版画(に通づる)展示話が来て、ウルウルしてしまったのでした。スケジュールと都合が合わなくてお断りしたものもあったのだけれど、どれだけ嬉しくウルウルして、「あ〜展示したかった。つぎは、きっとつぎは」と感謝したか。
けど、めちゃくちゃ苦しんでおります。カメ版画。カメに思い入れありすぎなの?それともサイズかなぁ…サイズっていうのも私にとっては思い入れありすぎなのかもしれない。「こだわり」という言葉は元々ネガティブな意味合いがあるのだというのを肝に銘じる瞬間。

*1:「めっちゃ好みやけど私が着たら笑っちゃうでしょ。それを見る人はしらけると思うなぁ、あはは」