甘ったるいにおい

写真は古紙に柿渋を塗っているところです☆木版画で使うバレンを細工(という書き方が正しいとは思わないけれど、やっぱり細工)するための準備をしているのでした。
柿渋は青いシブ柿を潰し、それを発酵させたものの上澄みなのですが……甘ったるく腐ったにおいがします(発酵していますからね)。防腐、防水、強度を増したり、染め物でも使う場合もあるし、この頃ではシャンプーや除菌スプレーなんかが出ていますね。私などは「ぎょえええ〜!」なのですけれど、飲む!人もいます。
太陽にさらすと深みを増してゆく*1、柿渋の色は好きなのですけれど、においは大の苦手です。ですので☆気合い☆を入れないと使いたくないのでした。けれど「バレンのためならぁ、えーんやこーりゃあ」の勢いで頑張っています。
きょうは彫りました。私にとって彫ることは鬼門であることを確信しつつあります。とにかく身体がつらい。痛い。ときどきほぐしたりしている*2けれど、間にあっていない感じです。摺るのも場合によっては(彫るよりもずっと)しんどいのだけれど、身体に蓄積される疲労は彫る方が断然うえ。来月のからだのお稽古のときに先生に報告しないと!
一年前にからだの先生に出会っていなかったら、いまごろ木版画は続けられていなかったのではないかと思います。少なくとも大きなサイズは作ることができなくなっていたと(嬉しくないけれど)自信満々で言えます*3。俊ちゃん先生に出会ってすべてが解決したわけじゃない。いつもを困らせていますしね*4。けれど、どうしようもなくなって通院することがなくなったことは事実……私にとっては体だけではなく心まで軽くなる出来事で、作品制作も以前より自由になった気がします。

*1:柿渋は「陽染め」と言われて、太陽光によってどんどん染まってゆきます。タンニンが化学反応を起こすんだったっけな…。

*2:これがとっても気持ちいいのです。ほぐし方も少しずつ身についてきた感じ☆

*3:大きなサイズを作り出してからというもの、作り終えては腰や肩や肘を傷めては、何ヶ月も通院を繰返していたので。そして当然、どんどん悪化しているわけだから。「もう出来なくなるかも。あと1、2年しか持たないかも」という焦燥感につきまとわれるのもストレスですし、そうなるとどうしても作品作りが小さくなる気がして、それもイヤでした。やりたいことがいっぱいあって、しかもスタートしたばかり、けれど(事情があれど)思いっきりができなくて作品が小さくなる気がするって………それを作品作りと呼べるのか?と考えた場合、そんな哀しくて残念で納得できないことがあっていいのかと思います。実際にはけっこうあるんだけれども………。

*4:俊ちゃん先生は、それはそれでバリバリ考えて指導してくださるので、心強いのでした。