桜色とは

写真は染めている最中。一週間ほどまえにいただいた桜で染めました。名残惜しくて水を張った桶に太い木ごと入れていました。生木から染めるなら、もうそろそろ染めないと色が出ないかも…踏ん切りをつけました。木のある部屋は一週間桜の香りでした。染めている最中は台所と居間が桜餅?の香り。草木を煮出す時って蒸せかえるような香りがします。
花が終わったあとの桜は黄色っぽい色が出ることが多いと聞きます*1が、たしかに無媒染は黄色が勝っていました。染めている最中は黄色の入ったピンクという感じで「おお、桜の花の色っぽいぞ」だったのだけれど、洗いにかけて乾かすにしたがって黄色が前面に出てきました。
無媒染以外に鉄媒染とチタン媒染を染めました。なにがしんどいって枝*2をチップにする作業。細かくした方が色が出てくれるので、とにかく細かく。剪定ばさみ片手にチマチマと。作業も終盤にさしかかったころ、比較的楽に細かくできる切り方を見つけました。あ〜右手、右腕が痛かった。切りながら「こりゃ今日は木版はむり!」と何度もブツブツ言っていた私です。
とってもよく色を出してくれました。花が終わって葉がではじめていたのに。木の命を布や糸に移す……と仰る方の気持ちがわかる気がしました。
きょうは昼過ぎに日本画を観に行ったのだけれど、会場で懐かしい人や月1くらいで会っている人(木版仲間)に遭遇しました。せっかくなのでお昼とお茶をご一緒させていただきました☆私のブログを読んでくれているそーで*3、なんでも「とっても感動した」日記があったのだそうです。なんとアップされている日付まで覚えてくださっていて……私もさっき読んでみました、自分の過去ブログを。
…………あぁ、書いたこと覚えてる。読んでみてもべつだん感動はしなかったけど。けれど私の根っこに繋がることなので、そこが通じ合えたということが嬉しいです。こういうこともあるんだと思いました。あと、銀ちゃんがカワイイって言ってもらえました。今でもこうして銀ちゃんのことを話題にしてくれる人がいるって…めっちゃ嬉しいです。
銀四郎通信は銀ちゃんの晩年(1年間)の出来事でした。あまりに毎日に追われている時に、銀ちゃんが危篤になってしまって「どこかに銀ちゃんの現状を書いておかないと、忘れてしまう(それで銀ちゃんがさらに悪化したらえらいこと)と思ってはじめた日誌*4でした。
思いがけず多くの方の目にとまり、たくさんの方に銀ちゃんのことを話題にしていただきました。銀ちゃんのことを知ってほしくて書いていたわけではないので、本当に「思いがけず」だったけれど、やっぱり存在を知ってもらうというのは嬉しいんだなぁ……と感じました。これから先も誰かの目にとまって、なにかの拍子に「銀ちゃんって子がいた」とか思ってもらえるかもしれない……なーんて考えると、すごいものです。
写真の染め物もそう。なにかのおりに染めた布を見て「ああ、あの場所に桜があった」と思いだすのでしょう。

*1:生きものなので、一概にどうこうは言えないけれど。

*2:桜を染める場合は木の部分を使うのがスタンダード☆

*3:バレたか〜!いつかはバレると思ってたけどぉ。ですね。

*4:むかめ工房ブログは基本的に毎日更新。それに合わせて銀ちゃんのことも毎日書くことができる。検索をかけたら知りたいこともすぐに出て来る。など、銀ちゃんの現状を書くには優秀なツールで、私の選択は正解だったと今でも思います。