書もしくは典

ずいぶん処分をしてしまったけれど、辞典や辞書が好きです。枕元に置いてペラペラ眺めるのも大好きですし、目的を持って引くのも大好きです。
5月頃、たいへん楽しい辞典を購入しました。読みまくるぞ!と、家中持ち歩いているのですが、なかなか読む時間に恵まれず『ただの気合い(気合いのための気合いとでも言いましょうか)って雲散霧消するのよねぇ…すくなくともわたしは。そもそも気合いという現象が自分に合わない』と何度も思ったものです。思うあいだに1ページでも開けばいいのに。
しかししかし、集中して読むときが来たのです。きっかけ…1ヶ月以上、版画の題名が決まらないのです。「まだ仕上がってないし、ゆっくり考えればいいや」と、フと思いついてはメモを取ったり、好きな本や詩を読直したりしていたのだけど……なんかダメ。そんなに気合いを入れて題名を考えることはないのですが(気合い、合ってないし)、いつも『これいいんじゃない』ってのが、なんとなくちゃんと思い浮かんでるんだ。と合点がゆきました。
今回は、なぜか蕪村の俳句ばっかりが思い浮かんで困りました。(私がこの版画で作りたいのって蕪村のイメージなんだ…ふーん。とは思ったけれど。)
木版が仕上がって水張りをし出したので(あとはサインと額装を残すのみ)、ニュー辞典に登場願いました。感心するやら、考え込むやら、思わず笑ってしまうやら、熱中して辞典を繰って大変満足です。