ダンゴムシ
size*242×303mm
水性木版
2011
ダンゴムシ
size*242×303mm
水性木版
2011
ひさびさ(調べると10ヶ月振り☆)の「こそこそ木版画もやってるの」画像アップです。モチーフはダンゴムシ。昨年の6月に制作。上下共に摺り回数や画材は同じですが、強弱や緩急に変化を持たせています。制作者としては上のダンゴが好み*1です。制作途中の版木は昨年のブログに載せていました。宝物のiPhoneと共に。
ダンゴムシフリークのみなさまなら「わーお!」と思ってくださるかも……コシビロダンゴムシの2種にあいなります☆テスト的に小さなサイズで制作したもの*2です。6畳くらいのお部屋に飾るならこのサイズが限界じゃないかな。これ以上のサイズになると鑑賞するには厳しいよね…というのが個人的な意見です。
紙は和紙を使用していますが、手漉き和紙ではなく機械漉き和紙で強度が弱く雰囲気もあまりありません。反省点はいろいろありましたが、反省点があってこその次。に繋がるようなところまでは持ってゆけたと思える版画です。
ダンゴムシって、たいていの人は大好き☆☆丸くなる姿やポッコリしたフォルムに親近感を覚えるのかもしれません。かくいう私もダンゴムシは大好きで「ダンゴムシの背中の部分はキャピタルと言ってですね。生まれた時と一回目の脱皮後ではキャピタルの数が違うんです☆丸くなる姿もよいですが、起き上がる時に一度背中を反らせるようになる姿がとてもよいのです☆☆あとあと、足をキュッと中心に集めるようにして立っている姿とか☆☆☆☆お腹にいっぱい赤さんダンゴを抱えている姿は衝撃ですけど★☆★★☆」と飽きることなく熱く語りまくっています。1月末に思う存分人前でダンゴ愛とカタツムリ愛とゾウムシ愛を語る機会に恵まれたのですが、しあわせ*3でした。
先日、私よりずっとずっとダンゴムシを愛している人たちの話を聞いてきました。ふーん……と思うこともあったけれど、刺激受けます☆☆
木版画でやりたいことのひとつに「質感をきっちり表現したい」があります。カメなら甲羅の堅さと四肢の堅いなかにも軟らかさのある部分。目の潤んだ感じ。哺乳類なら思わず撫でたくなるような肌質、毛並み。ダンゴムシならやっぱり「キャピタル」と言われる硬質でメタリックな背中の雰囲気などを出したい。こういう表現をしたいと言うは易しで、行うはとてもむつかしいのです。すくなくとも私にとっては。
さらに書くと少し専門的な話になってしまうのですが、「硬質」さや「メタリック」さの表現には不向きだろうと思われる、水性手摺り木版*4で出したいという強い気持ちがあります。
水性木版といえば、錦絵(浮世絵)をはじめとした手触り感や親しみ。いわゆる「繊細なやわらかさやたおやかさ。色面の豊かさ。」などが本領領域だと思いますが、そうではない奥深さをたくさん秘めているからこそ、本来の魅力であるやわらかさやたおやかさがより際立つのよ。魅力ってそーいうものじゃない?と私は感じていて、そこに踏込んでいきたいのです。
木版画のことを語りだすと、うっとうしい人になるので木版のアップはほどほどでいいと思います(一年に一度とか)。

*1:画像じゃなかなか伝わりにくいのが残念ですが、好みうんぬんを外しても断然上がいいと思っています。

*2:大きなサイズのもの、いろいろ作っていますが、今のところブログでの発表を考えていません。

*3:カメ愛にいたっては、こちらから言わなくても聞かれるので、よりしあわせです。

*4:油性プレス摺り木版の方が向いているでしょうし、さらには銅版などの方が得意とするところだと私は思います。