鈍感であること

何人かのお医者さんに「あなたは痛覚に鈍感だから気をつけなさいね。」とアドバイスされたことがあります。私が痛いという自覚があったら、それは一般的には相当痛いはずだから、すぐ病院に来てください、来ないだろーけど。ということでした。
……痛みは人と比べることができないから、そんなのわからないじゃあない。と書きつつ、ときどき『たしかに鈍感かもしれぬ』と思うことはあります。
きのう料理中に右手親指爪付近を負傷したのだけど、全然痛くなかったです。なんとなく感覚で『これは切った気がする…』と思って、一応見たら見る見る血が出てきたので、右手のそれも親指ってサイアクと思いながら、傷口を洗って傷を見て手当てしました。けっこうなものでしたです。でも全然痛くない、指先なのにね。
版画を彫るにも、染めをするにも不便だけど、しゃーない自分が悪い。なにをやるにも時間がかかるのかしら、どれくらいかかるのかしら…と思って料理再開。
痛覚はわからないけど、傷の治りは昔からものすごく遅く、痕にもなりやすく膿みやすい体質です。ですので痛くなくても、化膿が怖いのでケガをしたら養生はする方。養生と言っても「気をつけて生活する」ていどなのだけど。
きょうは、ときどきピッと痛みを感じるなぁ…と思いつつ作業をしていました。フトと見ると黄色を染めている型紙のフチが赤いじゃないか…傷口が開いて手当個所が真っ赤でした。ときどきピッと痛い程度なのに…。
こういう時、たしかに痛みに鈍感かもと思います。元々鈍感なのか、鈍感になったのか…どちらにしろ痛くない自分に恐怖。たまにちょっとした事なのに痛い時もあるのに…いろいろあるみたいです。
やれやれと思って手当てしなおして、血が止まるまで休憩して、作業場が汚れないように薄ーい手袋をして、そろそろと作業再開。
ゆっくりゆっくりやっていると、はじめて気づくこともありますね。