午前、彫り。午後、染め。これから眠るまで、彫り。
彫刻刀の持ち手部分は、自分が使いやすいように細工をしています。使って、ちょこっと細工して、また使って。と少しずつ、手に馴染むようにするのです。
今日は刃の部分をガリガリ研いで、形を変えました。まえから「つかいづらい…」と持てあましていた平刀があったので、軽くカーブをつけたのでした。
うちには中砥と仕上げ砥*1しかないので、時間がかかってしかたなかったです。荒砥が必要だと思いました。
荒砥は番目の低い、ザラザラ感が強くガリガリ研ぐような砥石で、中砥石〜仕上げ砥になるにしたがって、番目が高く、サラサラツヤツヤに研げます。荒砥は刃こぼれした時などに使い*2ます。
私の使用している道具の中では、気合いを入れて揃えていないのは彫刻刀です。ずーっと小学生が使うようなものをメインで使っていて、周囲に衝撃を与えたことがあります。つい先日も相手を絶句させてしまいました。すごく楽しかった。
絶句させるような彫刻刀を使い続けていた理由は「研げば切れる」でした。
とっても切れる*3彫刻刀は研ぐ回数がグッと減ります(一度研げば、長時間切れて、鈍らないので)。その点、私の使用しているものは、すぐに切れなくなるので、しょっちゅう研ぎまくっています。こーいう刃物を使用する利点は、研ぐ技術だけはめまぐるしく進化することでしょう。
そんな私ですが、版画の内容が変化してゆき、必要に迫られて*4、ここ1、2年で少しずついいものを集めだしました。
新しいのはモチロン使いますが、相変わらず小学生が使うようなものも使っています。刃の幅とか薄さで使い分けている状態。あとは多大なる愛着がそうさせている気がします。
どんな刃物であれ、研げば切れる。は、やはり正しいと感じます。そのままの感想ですが、研げば切れるんです。
それと同時に、いいものはやっぱりいいです。使いやすい。体への負担が格段に軽い。などなど、理由はいくらでもあげられるのでした。
とっかえひっかえ刃物を触っては、ニマニマです。あまりに不気味!でもやめられない!!

*1:私は「なかと」「しあげと」と言っています。

*2:アスファルトで代用が利くよ。って教えていただいたことがありますが、野外で刃物を持ってガリガリもどうかと思いますし、うちの敷地にはアスファルトがないので、できないです。

*3:高額、入手しにくい。やらた細かく種類(刃の幅とか)がある。木版画専用のものがある。

*4:ちょっと欲が出たってのも理由です。