写真は木版画をはじめて、2年目か3年目に作った扇子。同じ板を使って色を変えています。
棚をゴソゴソしていたら出て来ました。ものすごく時間をかけて作った記憶と、うまくゆかなくてがっかりした記憶がキョーレツに残っています。
今見ると「うまくゆかなかった所がどこかはわかるけど、悪くない」と感じます。自分の作ったものを冷静に距離を置いて見るのは、現在進行形であればあるほど難しい気がします。あの時は冷静に「これは失敗」と思ったのですが、今は自意識過剰だったのだねぇ。です。
ちょうどこの扇子を作った頃は、道具に振り回されていたと同時に、木版画制作の楽しさがちっともわからない時期でもありました。
ちっともわからない期間は何年にもおよび『その面白さがわからない、見えない、見えるところまで行っていないのが、くやしい、残念。』と迷走しまくっていました。
あらためて文字にすると、なかなかドロドロしていますね。
扇子を見るかぎり、そんな迷走ドロドロ状態は感じられません。とても楽しく作った感じすらします。ドロドロ暑苦しそうな扇子なんて、どうかと思いますから、そういう点も「そんなに悪くないけどー」と今の私は感じます。と同時に「わかるわかる、がっかりするよねー!」です。