アッサムセタカガメ
size*148mm×100mm 木版 2005年

アッサムセタカガメ
size*148mm×100mm 木版 2005年
アッサムセタカガメ。
だいだいと緑が淡く混じるような感じが出したくて、本物のアッサムさんよりグンと色の明るさや鮮やかさを増して作りました。
お気付きになる方は、そうとう木版画や絵がお好きな方だと思いますが、いい感じで木目も出せたので満足しています。
私の作るものは、よく「え?これ木版画なんですか?」とビックリされる事が多いのですが*1、上のアッサムさんなどは画材や手法自体(CG制作して印刷屋さんに入稿しているのか、水彩や墨彩などの手描きなのかなど)わからない。という方もけっこういらっしゃいます。美術に造形の深い方でも。
摺った時に出てしまうエンボス(デコボコ)を、なるべくなくす処理をほどこしていないかぎりは、触ると、版ごとのデコボコがあることがわかるので、あっ?!とお気づきになられる時もありますが、たいてい「信じられない…」などの感想をいただくのでした。
私としては『どのあたりが木版画に見えないのかな…??やっぱり木版画なんだから、木版画に見えてほしい気がする……』と考えてしまう所なのですが、どうもイメージとしての木版画とかけ離れているのが大きいようです。
なんとなく画面が黒いイメージ、ざっくりしたイメージ、単色のイメージ、彫りあとがハッキリとわかるイメージ、版画といえばイメージ棟方志功よ、あとは浮世絵!…などなど。
いやいや、木版画の表現っていろいろあるんです!これぞ木版画。というような素朴で味わい深いものから、やっている私が見ても「……どうすればこういうのできるんですか?信じられない…」と聞いてしまうようなものまで。広大な世界なのです。


ポストカードサイズのカメ版画を少しずつ紹介してきましたが、こういう額装はいかがでしょう。
ブログで紹介した版画が入っていなかったり、紹介していない版画が入っていたり、ブログで紹介したのは全身像だけど額に入っているのは甲羅のみ。の版画もありますです。
カメ額装
いろんなのがいっぱい集まれば、それだけで楽しい気分になります。私は(いろんなのでも同じのでも)チマチマいっぱいあるのが好きなので、ワクワクします。
片方は図鑑をイメージしたもの。
片方は色んな方の飼いカメさんをモデルにさせていただいたポートレイト*2
もともとは展覧会用に作ったもので、今でも時々、ありがたいことに展示させていただく機会に恵まれています。
少しずつ版画を増やして最終的にこういう額装にしたのではなく、先に額装を考え額もマットも用意し、それに合わせて中身は作りました。
一般的に展示作品は、ひとつの額に1枚(1作品)の絵を入れるのが基本です。版画作品の場合は意図的に2、3枚入れる場合もありますが、やはり基本はひとつの額に1枚の絵。です。
小さなサイズでも、ひとつの額に1作品を入れます。上の写真ですと全30枚の版画があるので、30コの額に1作品ずつ額装。シリーズとして展示するが基本。
ですので全30枚をふたつの額に入れ、シリーズではなく連作にするという額装は「ふつう、ないよね…」と言われるような、不良です(オラオラ!かぶいてわるいか!)。*3
ふつーのことしたくない!というよりは「こっちのほうが作るのも見た時も絶対にたのしそう」を取っただけの話なのでした。
この連作は、もうひとつ「ふつうじゃない」点があります。おわかりになるかな……。
うちでは自作は飾らないので納戸で眠っています。ときどき干すために出すと「あ〜やっぱりチマチマいっぱいは楽しい」って思います。

カメ DE Show in大阪では1枚ずつの販売をさせていただきます。

*1:同じ版画技法でも、シルクスクリーン?と仰られることが多いです。

*2:題名は『ポートレイト・イン・カメ』…誰もビル・エヴァンスへのオマージュだと気づいてくれません……

*3:作品作りに「ふつう」ってないと思うんですけどね。と書きつつ「ふつう」スタンダードがあるからこそ、はみだしもできて、そこを面白がれたり、面白がってもらえたり、悪ふざけと言われたりするわけです。