彫る作業が思うように進まなくて難儀しています。難しいこと(私にとって、とても苦手なこと)しちゃったのかなぁ…とも感じているのだけど、どうなのかな…ちょっとわかりません。
写真は彫りで疲れ切った腕と目を休ませるために、彫りと交互にしている作業、染めです。
奥の薄桃色のものは、これからもっと濃く、黄色味を増してゆきます。手前のものはより墨色に。染めの材料は、まさに墨です。墨色と言う場合、墨ではなく植物染料を鉄媒染したものを指す場合、墨で染めたもの、混合技法。いくつかやり方はあるのですが、今日は墨オンリーで。
墨は私が版画で使っているもので素敵な色です。大別すると菜種油などを燃やしてその煤から作るものと、木(松)を燃やしてその煤から作るものがあり、写真のものは後者にあたります。
染めている最中は、内容によっては実験そのものなので、気が抜けないのですが、それでも色々考えがめぐります。とくに木を乾燥(生木を使う場合もありますが)させ、細かく切って染めてゆく場合は、なおさら。
染めて、日常的に使って、洗いを繰り返してゆくうちに、だんだんと色落ちしてもとの白に…そんな時まで使う人に寄り添えたら最高ですね。喜びにも悲しみにも寄り添って。
墨染めはムラになりやすそうですが、これから何度も染め重ねてゆくの、たのしみ。深い色になりそうです。