チビ写真、パッと撮ったので、写りが悪くて残念すぎるのだけれど、両方リング。指輪です。私の黒々としてシワシワの手も写ってるけど、気にしない、気にしない。指輪みて!
どちらかは130年ほど前のもの。もう一方は現代作家さんのものです。おわかりになりますか?どちらも素敵ですね。
正解は(さっさと正解を言うのが、私のやり方)向かって左が指輪物語*1を生んだ、イギリス(ヴィクトリアン時代)の指輪。右が神戸にお住まいの作家さんの作品です。
左の指輪は私の所有物ではないのだけれど、七宝で白がとてもキレイに残っていて、絵柄はわんさん(犬)でオープンマウスです。オープンマウスっていうのは、縁起物のような扱いで、モチーフは蛙とか犬、鳥、いろいろあるそうですが、口を開けているのが特徴で、幸せを呼ぶ。と、いうような意味を込めているのだとか。
右の指輪は、先日、知人がとても素敵な葉っぱの指輪をしていたので「それ、いいね〜」と、褒め讃えたら「むかめ工房さんは絶対に好きだから見に行って!松ぼっくりとか、壺みたいなのとか、絶対に好き!」と、期間限定で大丸神戸店に出店されていると教えていただいたのでした。好き。めっちゃ好き!
材質は無垢の真鍮で、かなりズッシリして指なじみもよく、とにかくデザインと、それを表現する力がすごい。ブランドを立ち上げて2年半なのだそうですよ。ちょっとありえないクオリティーだと思いました。お話を伺ってわかったのは、デザイナーさんがブランドを立ち上げるまでに獲得された技術力、底力が今に繋がっていらっしゃるようです。いいですね、個人的に大好きです。
そのうえ、お値段が手頃なのにビックリして「この値段で大丈夫なんですか?いい作家さんは長く続けてほしいから、もう少し値段を上げた方がいいと思う。私ならこんくらいは出す。」なんて、グダグダ言ってしまうくらい好きになりました*2
…何故、このふたつの指輪を並べたかというと、いいものは古びない。時間の経過が糧になる。ということと、一見相反する*3ようですが、いいものは出現した時点で懐かしさを内包している。と、いうのがにじみ出ている。と思ったからです。
古いからいい。新しいからいい。っていうのは、ちょっと乱暴な見方だと思うし、でも結局はもっともっと乱暴な「いいものはいい」に尽きるような気がします。
真鍮の松ぼっくりリングをお作りになったのはLanoさん。松ぼっくりリングはフランスのボルドー地方にインスピレーションを受けたんですって。ほかにも素敵な作品がいっぱいあって、石も珍しかったり、質がよかったり面白いものを使っておられました。
私はもともと地金が大好きで、石の入ったジュエリーはほとんど持っていないのだけれど、地金オンリーが好きなところは、地金そのもので勝負しているところです。地金には地金の素敵さというのが確実にあって、そこに石を入れると、どうしても石が主役。地金は脇役。になってしまいがちで、それはそれで、そういう見せ方だからいいと思うのだけど、やっぱり私は地金が主役でゴツッとあったり、重ね付けを楽しんだり…そういうのに魅力を感じます。
ただ地金オンリーで魅せるって、作家さんにとってはチャレンジだとも思います。その作家さんの技術力とかデザイン力とか、思いまで、すべて出てしまうから…熱くなりまくってますけど、久々に(人生2度目!出会いはとっても少ないんです…)素敵なジュエリー作家さんと出会えたので、仕方ないんです。熱くなりすぎて気持ち悪いんです。
紹介してくれた友達とも盛り上がりまくりで、母にも見せびらかして、羨ましがらせて、ほんと迷惑な人になりつつあります。

嬉しすぎて、ハタ目には気持ち悪い人の状態のまま*4、激写。松ぼっくりリングと、セコイアの葉と球果。ぼっくりのことを専門用語で「球果」って言うんだそうですよ。ぼっくりは「まあるい」というような意味らしい。
セコイアは常緑樹、葉は互生、球果のウロコ*5は螺旋。松ぼっくりリングの球果のウロコも螺旋です。
先日のセコイア、ヌマスギ、メタセコイアを同定する勉強が、こんなところで役立つとは…。写真の下に敷いてあるのは、染め型紙。

*1:どうして映画では、彼は彼自身の主人である。の、トム ボンバディルを出さなかったんでしょうねぇ。話の筋とは関係ないと言えばない登場人物でありエピソードかもしれませんが、私はがっかりしました。陽気で豊穣で冷酷で孤独を持っている彼のこと、私は大好きです。

*2:価格設定にもこだわりがおありで、お聞きして感動。

*3:ほんとうは共存するんですよね。

*4:誰もみてないから、かまわない。見てたって、かまわない。

*5:ぼっくりの出っ張ってるところを、ウロコと言うんだって!専門家は。こないだ教えてもらった。