嘘がつけない

朝から大阪。気づいたら降りる駅を乗り過ごしていて「次はなんば〜〜」と放送が流れていて、あちゃ〜と思いました。乗り過ごしたのは生まれて初めてかも。まったく逆方向の電車、しかも特急に乗ってしまったことはあるけれど。あの時も今回も考え事をしていた時だった。きょうは午後のことを考えていたのでした。

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午後は移動して目的地へ。ちょうどご飯のタイミングだったので食堂に行くと合流メンバーがいたので一緒に食べる。私が食べたのはからあげ定食。ご飯は半分。ひとりはオムライス。ひとりはヒレカツ定食。定食には小鉢がひとつ付いていて、ヒレカツ定食には何故か茄子色の白菜と大根の炊き合わせ。私はイメージ通りの切り干し大根がついていた。隣で「うげ〜なにこれ?」と茄子色白菜を食べそうにない気配を出していたので、小鉢を交換。茄子色の白菜はとても美味しかったです。からあげが沢山あって、ご飯を半分にしてもらったけど食べられなかった。

その後、さらにメンバーが加わり報告や話をしたのだけれど『この人たち、嘘がつけない人たちなんだな』と、つくづく感じました。今まで何度も感じてきたことだけれど、嘘がつけないということの優しさと厳しさを突きつけられた気持ちです。素晴らしい、かけがえのない、人のあり方の美しさを感じます。

こういう美しさがあるのだと、目の前に差し出された私の気持ち。キレイでそして悲しい。嘘がつけないことに物凄く支えられて励まされているのに、嘘がつけないことを悲しいと思いました。

私も出来うるならば目の前にいる人のように、嘘がつけない人になりたい。そう感じさせてくれる人に出会うと、生きることの不思議と複雑さ、色どり、やわらかさ、目にいっぱい涙が溜まった時に見える世界のようなキラキラを感じます。

夕方に帰宅して用事を済ませて、半分だけ摺り。とてもいい感じです。すごく気持ちいい。これもキラキラ。

私にとってキラキラは本質的にはどんなに手を伸ばしても到底届かない、遠く遠くにある憧れです。

おもい

朝からからだのお稽古。電車に乗って行くのがなんとなく気が進まない気分だったけれど「頑張れば歩いて帰ることができる距離だしな!」と思い直しました。

きのうの話をいつくかして、ウエイトの大きなのや小さいのを持って頑張りました。重いものを持つのが苦手。お腹に力を入れて、足もしっかり踏ん張って。

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さっさと帰宅して、連絡したり確認したり、絶対に少しは摺りたかったから目一杯クルクル動きました。

「てとてと展」その流れを組む番外編「3階立てのアパートメント」のメンバーが無事に帰宅されたことも確認。ギャラリーさん&ギャラリーの状況もわかってホッとするやら心配やら。とにもかくにも、ひと安心です。

「てとてと展」は「手と手」というニュアンスを込めてあり、作家同士や作品と誰か。何かと何かの「てとて」が触れたり、握ったり…今回のようなことは望んでいなかったけれど、とても「てとて」を感じました。心配したり、安心したり、励ましたり、労ったり。リーダーの小輪瀬さんが「遠くに(住んで)いるからこそ、こういう時は助け合えて強いのかもしれませんね!」という事を仰っていて、本当にその通り!と思いました。頼もしいリーダー。

てとてと仲間と末長く繋がっていたいと心から思います。つぎは2年後くらいに北海道!という話が出ていて、さてどうなることでしょう〜。

もくもくと

あさ、何か飲もうと台所に立っているとグラグラっときました。あ、これ記憶にある。ヤバイ感じ。と思いました。

いくつかの物が落ちて、目の前で砥石が落ちて『わー足に落ちなくてよかった。この置き方はダメだったんだ』と思いながら、グラグラ。

朝から芦屋に行く用事があったのだけど、空模様は雨が降りそうで、電車も止まっているみたい。ひとまず身近な人、とても心配な人(困っていたら助けないといけないと思った人)の安否だけ確認して出かけました。

電車はやっぱり止まっていて、人で溢れているし、タクシー乗り場は長蛇の列。それを眺めていると、なんとなく疲れて「もう家に帰ろうかな」と思ったんだけど、やっぱりなんとなく芦屋に向かって大きな道路を歩きはじめて、立止まっては安否確認のため次から次へ連絡*1しました。こんなに簡単に連絡が取れるって、すごい。

「◯◯さんと連絡が取れない、どうしよう」という連絡がいくつか入る。電話をくれた人の取り乱した声。不安で押しつぶされそうな声。大丈夫、連絡取れるよ、私がちゃんと連絡取るから大丈夫。何か飲むか食べるかして、できるなら少し目を瞑って休むねん…ご飯がええやろか、パンがええやろか、机に突っ伏して寝るよりちょっと横になった方がええんちゃうか?まわりにモノのないとこでね。目が覚めたころには連絡がついてるよ。私に任せときー。とか、物語の登場人物の話なんかをすると、電話やメールの向こうで心底ホッとするため息や、ちょっと笑う声が出ていました。いつもは怠け者だけど、いまは私の出番みたい。なにより電話や連絡をくれたアナタが無事だとわかってよかったです。

ひと段落つくころには空は晴れて暑くて、そして芦屋市に入っていたのでした。芦屋方面から何人もの人とすれ違った。みんな黙々と歩いていた。いろいろ思い出します、あの時は寒かった。

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目的地では(そこで私を待ってくださっていた方と)手を動かしながら、色んな話をしました。彼女も地震を体験している人で、本当にいろいろ話した。そして「きょう、この時間を誰かと一緒にいることができてよかった。ひとりだったら辛かったねぇ」と2人で何度も言って、誰かと一緒にいるということを確認しあいました。

手を動かしながら、ときどき笑ったりしたけれど、すごく静かな時間で「ここにいると、こんなに静か」と、手を止めて2人で窓の外を眺めたことは忘れないような気がします。

帰りも歩き。「傘、いらんかったね。自転車で来れた」「ほんまにね、ふふふ」「傘、忘れる天気やね」と言うくらいの、空。

 

*1:とくに「3階建てのアパートメント」で大阪入りした作家さんたちは、慣れない土地で不安に違いないですものね。ご家族にも大丈夫だとお知らせしたい。